必殺の二挺拳銃/Il Pistolero Segnato Da Dio (1967)


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Locandina Italian Poster (x2) Fotobusta




英語題名 Two Pistols and a Coward / Gunman Sent by God
監督 Calvin J. Padget
脚本 Augusto Finocchi , Giorgio Ferroni
撮影 Sandro Mancori
音楽 Carlo Rustichelli
出演者 Anthony Steffen , Richard Wyler , Liz Barret ,
Ken Wood , Nello Pazzafini , Andrea Bosic


必殺の二挺拳銃 レビュー
【ストーリー】

 サーカスの曲撃ち名人ゲーリー・マグワイア(アンソニー・ステファン)は、団員の中でも花形スター。牧場主の父を殺され孤児になったトニー(マルコ・ステファネリ)に慕われている。
 ゲーリーはある日、強盗団退治に参加するが、強盗団の凄腕ロイ(ケン・ウッド)が仲間を一瞬にして皆殺し、奪った金を独り占めしたのを見て手がすくみ、動けなかった。ところが町民たちは、強盗を片づけたのはゲーリーだと誤解、彼は一躍英雄になる。いい気分で酒場での喧嘩を仕切るゲーリー。しかし、強盗団の首領コールマン(リチャード・ワイラー)と組むロイが、サーカスの興業でゲーリーに挑戦する。肝っ玉の小さいゲーリーは、ロイが銃を抜いた途端に地面にはいつくばった。

 以来、彼は酒場で男たちにオモチャにされ、興業ではブーイングの嵐を浴びるなど、もうボロクソ。彼は少年時代、銃の暴発に驚いた牛の暴走で兄を亡くし、怒った父親にむち打たれた経験から、死を恐れるようになっていた。サーカスを離れ、ひたすら酒に浸る情けないゲーリー。トニーの励ましにも耳を貸さない。だが、寄宿学校に送られたトニーに窮地を救われ、悪党どもの一掃を決意する。

 町民にまるで信用のないゲーリーは単身、敵の牧場へ。ロイが仲間割れでコールマンを殺した隙に逃げ出したトニーを救うため、初めて人を撃つ。牧場に乗り込むゲーリー。悪党どもを一人でなぎ倒すや、と思われたが、そこへサーカス団が乱入。ピエロや怪力男、インディアンらが悪党と戦いはじめ、安物のフェリーニワールドと化したシュールな展開の中で、ゲーリーはロイと戦う。一発だけ弾の入った銃を撃ったロイの弾はゲーリーの頬をかすめ、ロイはピエロたちに引っ立てられる。ヒーローとなったサーカスは次の町へ凱旋するのだった。

【解説】

 ここまでひどい駄作も珍しいといえるでしょう。とにかくステファンの見せ場がまるでありません。センスの悪い服を着せられたステファンは、ひたすら悪党や町民に殴られ、なぶられるだけ。飲んだくれて子供相手にクダを巻くシーンなどは、とても見られたもんじゃありません。保安官が悪党と酒場で撃ち合って負傷するのに、ステファンは壁に張り付いているだけ。彼らが立ち去ってから銃を抜くというお粗末なキャラクターです。
 散々殴られながら、自分が殴るのは寄宿学校の教師のみ。これじゃただの弱い者いじめですな。牧場に乗り込むクライマックスも、右の頬に殴られた痣を付けたままでカッコ悪いのなんの。今回の射撃は転がらずに棒立ちですが、そんな数少ない見せ場も、サーカス団の乱入によって無残に崩壊してしまいます。

 このサーカス軍団がまた凄い。ウエスタンルックの拳銃使いに、赤や黄色の衣装に身を包んだピエロたちがバック転しながら挑みます。顔面に鮮やかなペイントを施し、弓矢で悪人を倒すインディアン二人組の顔立ちはイタリア人そのもの。そんなダラダラした最高潮に追い打ちをかけるように、ステファンとケン・ウッドの対決も、まるで盛り上がりません。これを見てしまえば、「地獄から来たプロガンマン」や「荒野の棺桶」が傑作に見える不思議な錯覚に襲われます。「アルベルト・カルドーネ」はジョン・フォードのイタリア用偽名か、と思ってしまいかねません。

 こんな作品を輸入して、堂々と劇場公開してしまったのはNCC。1968年当時は、まだマーケットにマカロニの威光が残り、イタリアンウエスタンならどんなダメ映画でも腐れ作品でも垂れ流せた幸せな時代でした。しかし、当時のファンは、ケン・ウッドが仲間を射殺する場面が繰り返し流れる予告編に惹かれて映画館を訪れ、あまりの出来に腰が抜けたそうです。
 監督は「荒野の1ドル銀貨」「荒野の一つ星」「さいはての用心棒」などのカルビン・ジャクソン・パジェット。どんな思いで撮影したのでしょうか、別に知りたくもないですが。

【音楽】

 何の工夫もカッコよさもない、つまらないことこの上ないタイトルバックに流れる、ルスティケリのまるで耳に残らないテーマ曲。よくもここまで、このスタッフをかき集めたものです。サーカス団の金管楽器の演奏が必要だったから音楽を入れた。本作の音楽の存在価値はそんなところでしょう。

by PINGUINO



Fotobusta
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Saturday, October 21, 2000 11:43:09 PM