校長や教育委員会が、市内一律に「A社の補助教材を使用しろ」と強制できるか?

答え…もちろんできません

教育行政学者の著書より

下村哲夫編 シリーズ教育の間10 「教育委員会と学校の間」P78より
「準教科書なり問題集なりは、具体的にはこれを使用しようとする教師ないしは教師集団が選定することになるのが普通であり、またそうすべきものであろうから、校長としては、教師(集団)が第一次的に選定した補助教材の提示を受けて教育委員会に届け出、または承認を得る、という手順を経ることになるわけである。」


 たしかに、問題集や漢字ドリル、計算ドリル、家庭科ノートや音楽ワーク等は、授業を担当する教師や教師集団が選定し、採択しています。
 しかし、そうなっていない補助教材があります。それは、教育振興会の補助教材です。
 市教組は、特別扱いをやめ他の教材と同様に扱うように要求しています。

こんなにある 教育振興会の 補助教材に対する 特別扱い

a市内一律である。
b採択の時期が前年度に行われている。
cしかも、見本を見ないで。
d複数の出版社の出版物から選定していない。
e「ことばの広場は、必要ない」と言っても、校長に採択を要請されてしまう。
f校内の教材採択委員会で決定してしまうこともあり、すべての教師の意見が反映されているわけではない。
g理科ノート・明るい心(明るい人生)は、平成11年度から市の税金から支払われるようになった。公費負担となったことにより、教師が反対しにくくなった。



なぜ教育振興会の出版物だけが…

 教師の教育権への侵害という問題ばかりか、教育振興会という外部団体との癒着が疑われています。(中日新聞にも三回にわたってとりあげられました。1997年「どうなってるの学校」<教材と副読本>)

文部省も以下のような通達を出しています

学校における補助教材などの取り扱いについて
文部省通達(昭和39年3月27日)
  各教育事務所長
  各市町村教育委員会  教育長
  各県立学校長

1…運用の面で公正を欠くことのないよう、また手続きを怠ることのないよう十分指導すること。
2児童・生徒(父兄)に購入させる補助教材の使用については、慎重に検討して、最小限にとどめるよう指導すること。
3…特に強制の感をいだかしめないよう配慮するよう指導すること。


文初初第127号
昭和39年3月7日
文部省初等中等教育局長
各都道府県教育委員会殿

…入手の手続きや方法に公正を期すべきことはいうまでもないことであります。


昨年と今年の交渉で明らかになったこと
※<>は、市教組のコメント

1999年度校長会回答
☆「明るい心」は校長会文教部会で採択を決定した。
<授業を担当する教師の意見を反映する機会を持たないで、しかも校長会で採択してきた>

2000年度市教委回答
☆「明るい心」「理科ノート」の公費負担は今後も続ける。
☆「市教委が補助教材を決めるのはおかしい」と迫った結果、「補助教材は学校で決めるのが原則であり、採択は各学校で行われていると認識している」と回答。
<教育振興会の補助教材だけ特別扱いした公費負担は、採択の原則を侵していると批判した。その財源を児童生徒のために有効に活用すべきだと主張。例えば修学旅行費の補助・算数セットの購入等>

まだある特別扱い

☆校務分掌に「子とともに」の係を置いている学校がある。この問題をとりあげたところ市教委は、「これは特別扱いになるので、校長会・教頭会で指導していく」と回答。
 つまり、教育振興会は外部団体であり、その団体の出版物の係を学校に置くことになり、市教委もその誤りを認めたのである。
☆健康手帳…平成10年度から公費負担。児童の健康状態を保護者に知らせるには他の方法でも可能なのに。
☆ことばの広場…教科書に合っていないし、使いにくいと言う現場の声があるのに採用している。これは、保護者負担。
※名古屋市では、採択していない学校や学年に採択を任せている学校も多く見られる。
☆指導要録、体力診断テストの個表、学級日誌、給食実施簿、出席簿、健康診断表、指導累積簿、卒業証書、各種帳簿の綴じ表紙などほとんどが教育振興会の出版物で、中には年度当初の時間割表など不必要なものまで含まれている。


                     
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