市教委申し入れ書 2002年度

一宮市教組発0211号
2003年2月24日
一宮市教育委員会
教育長 馬場 康雄様
一宮市教職員労働組合
執行委員長   内田 悟
 
「心のノート」の調査についての申し入れ書
日頃より一宮の教育の発展にご尽力されご苦労様です。
  さて、平成14年度の会計検査院会計実地調査において、各校に「心のノート」の調査をするようにとの依頼が来ております。
  この「心のノート」は、昨年4月に文部科学省が全国の小中学校に配布した物であります。しかし、これは、検定を通ったものでもなければ、各校で採択したものでもありません。文部科学省がかってに配布したのにすぎないものです。
  それを、会計検査の名を借りて、配布状況だけならまだしも、「どのページをやったのか」などその使用状況を調査するということは、とりもなおさず「心のノート」の使用を強要し、道徳教育に特定のものの見方や考え方・感情までも無理矢理押しつけようとするものであります。これでは、戦前の国定教科書、修身の再現と言わざるを得ません。
  私たちは、戦前の深い反省に立って「教育は、不当な支配に服することなく」中立性を維持しなくてはならないと決意したはずです。そして、その一環として国定教科書を排除し、教科書の検定制度を確立してきました。
  今回の「心のノート」に関する調査は、それを根底から覆す暴挙といわなければなりません。
  また、「心のノート」は、その内容についても、美しい写真や響きの良いことばをちりばめながらも、「人格形成をする思春期の子どもたちが、さまざまな体験や仲間とのやりとりから切り離されて、ノートとだけ対話し、確かめもせずに書かれた価値を内面化してしまう危険性がある。」(横湯園子教授一中央大学教育臨床心理学)、「具体的・合理的に理解すべき問題が、情緒的に片づけられ、すべて『心の問題』にすり替えられている。
美しい風景写真を見れば誰もが『自然はいい』と思います。でも、それだけでは環境破壊の現実を知ることにはならない。『なぜそれが破壊されるのか』と考えることで批判的精神が育つ。『心のノート』には、それがない。」(吉田典裕氏−出版労連)」などの指摘もなされています。
  わたしたちは、こうした様々な問題を持つ「心のノート」の使用を強要する調査に断固反対するものです。
 
 
1. 心のノート」の調査を直ちに止めること。
また、内容に関わる調査を止めるよう、会計検査院に抗議すること。
2. 「心のノート」の使用を強要する行為をいっさい行わないこと。
また、使用を強要するおそれのあることについては止めるよう関係機関を指導すること。