市教委申し入れ書 2004年度

一宮市教組発0402号
2004年 7月12日
一宮市教育委員会
教育長 馬場 康雄様
一宮市教職員労働組合
執行委員長  水谷忠二 
 
要 求 書
日頃より一宮の教育の発展にご尽力されご苦労様です。
  つきましては、子どもたちの教育環境をよくし、教職員にとって働きがいのある学校にするために、下記の事項について交渉を申し入れます。内容をよく検討され、誠意ある回答をお願いします。
 
 
1. 授業時間・研修時間の確保と多忙化解消、労働条件の改善に向けて
(1)  昨年、県教委と愛知県教職員労働組合協議会で確認された10項目のことを、市内の小中学校において本年度も適正に行われるよう指導すること。
@ 勤務時間に関わる問題は、労使協議事項として、市教委・校長は、誠意を持って交渉に当たること 。
A 校長は、勤務の割り振りに当たって、所属職員との合意形成に努力しなければならないこと。
B 45分の休憩時間は、一斉付与が原則であること。
C 休憩時間は、勤務場所を離れ、自己の時間として自由に利用できる時間であること。
D 児童生徒が在校している間は、本来の休憩・休息はとりにくい時間であること。
E 午前午後各15分の休息時間については、校長はその確保のため最大限の努力をする必要があること。
F 45分の休憩時間が与えられることなしに、8時間を超えて勤務を命ずることは違法であること。
G 45分の休憩時間を割り振られた時間通りに与えることができなかった場合は、その日のうちに与えなければならないこと。
H 教員には、4%の教職調整額が出ているから、超過勤務は当然という認識は誤りであること。
I 一日の勤務時間が合計8時間を超えた場合は、速やかに別の日の勤務との間で振り替えを行い、一週間あたり、40時間をこえてはならないこと。
(2) 厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」(2001年4月6日基発339号)通達やその内容を発展させた「サービス残業総合対策要綱」「サービス残業解消対策指針」(2003年5月23日)に基づき、次のような適切な措置をとること。
@ 職員ごとの勤務時間の割り振り変更簿によって超過労働時間を把握し、超過労働時間にならぬようその改善を図ること。
A 把握された労働時間に応じて、適切な勤務時間の割り振り変更が行われるよう徹底   すること。
(3) 平成8年4月16日付県教育長名の通知「学校運営の改善について」の趣旨に沿い、教員の多忙化解消に努力されたい。
@ 各種研修会や講習会、主任者会で、今年度は何を精選したのか、また、増えたものは何か明らかにすること。
A 県教委も強制していない体力テストの一律実施をやめ、文科省の抽出校のみとすること。市の教育課程に体力テストの時間を設けたり、1年生に全種目実施させることを止めること。
B 修学旅行や野外教育活動など泊を伴う行事の超過勤務に関して、勤務時間の割り振りが行われるようになったが、正確に割り振りが行われるよう指導すること。
C
教職員の時間外勤務がますます増大している。教材研究や学年会、授業の打ち合わせ、学級事務、成績処理などの時間が勤務時間内に確保されるよう指導すること。
また、こうした現状を是正し教職員の健康維持の観点からも、教育委員会としてどのような対策を講じてきたか明らかにすること。
(4) 学校教育法施行規則22条3項に関する文部事務次官通達と県教委の「教職員定数配当方針」に基づき、以下の改善を図られたい。
@ 教務主任・「校務主任」は、市教委が任命することをやめ他の主任と同様に毎年校長が命ずるようにすること。
A 教務主任・「校務主任」に校長や教頭の職務を肩代わりさせないよう指導すること。
(5) 児童生徒の金銭トラブルを防ぎ、集金事務の簡素化を図るために口座振替にすること。
@ 口座振替の手数料は市が負担すること。
A 雑務排除の観点から他地域と同じように学級集金簿を廃止すること。
2. 未来を担う子どもたちの教育条件の改善に向けて
(1) 完全学校週5日制の完全実施に伴う問題点について
@
子どもや教職員がゆとりを持って教育を行うことが出来るため、次のような方策を練ること。
 ・ 日課の組み方について、各校の自主性を尊重すること。
 ・ 朝の時間(読書タイムなど)に対して、授業時間としてカウントできるよう指導すること。
 ・ 授業後の短時間の学習の設置は、各校の判断を尊重すること。
 ・ 「1時間の授業に1時間の研修が必要」(文科省の見解)という認識に立ち、教材研究の時間が確保されるよう指導すること。
 ・ 市などからの通達などが、一方的におろされ教職員の共通理解が出来ていない。時間的余裕を持たせるなど、論議の時間を保障し、共通理解がなされるよう改善すること。
 ・ 忙しいことを理由に、全職員で検討することもなく、学校運営に関わることが管理職だけで一方的に決められたり、父母への文章が出たりし、職員の合意を尊重しない非民主的な運営がみられる。こうした運営を止めるよう指導すること。
A 部活については、土曜日を練習時間に当てないこと。
B 子どもたちの授業後の過ごし方について、安全でよりよい環境のもとで過ごすことが出来るよう学童保育・児童クラブを充実すること。
C 小学校の各種選手権を社会体育に移行すること。また、その実現の見通しを明らかにすること。
(2) 総合的な学習に必要な施設・設備を整えるとともに財政上必要な予算措置をとること。(インターネット設備、通信費、メンテナンス費、ソフト代、講師謝礼など) 
(3) 不登校の児童・生徒やADHD児やLD児などの指導について、専門機関の協力が必要となっている。カウンセリングなど専門家の人員を増やしたり、関係機関を紹介したりするなどして体制を強化すること。
(4) 教育相談の相談員は、専門家をあてること。
(5) 英会話の講師の派遣は、各校の要請に基づくものとし、割当や強制をしないこと。
(6) 少人数授業は、教室や講師の不足、習熟度別授業への批判など数多くの問題を起こしている。それよりも、30人学級の実現こそが父母や子どもの要求に応える道である。
@ 少人数担当の教師の運用に弾力性を持たせ、少人数学級担当の教師として運用できるよう、国へ強く要請すること。
A 30人学級の実現を、県へ強く働きかけること。
B 市独自の予算で、30人学級の実現を図ること。また、昨年度より行われている小学1年生の少人数学級を2年生へ拡大すること。
(7) 現在、ともいきの児童は、多くの問題を抱えて施設で生活している。不登校や保健室登校、学校での問題行動が減ったとは言え、ともいき児童への適切な指導援助が出来るように、西成東小学校への教員の補充を今後とも行うこと。
(8) 小学校の修学旅行をより有意義なものとするため、目的地、方法、担当業者等の変更については各学校の自主性に任せること。
3. 教職員の安全と健康確保について
  労働安全衛生法(以下、労安法)の完全適用を進め、教職員の安全と健康を確保すること。
(1) 教職員の健康診断にあたっては、以下のような改善を行うこと。
@ 教職員の健康診断にあたっては、施設・設備の整った医療機関で行うようにすること。また、実施にむけての障害は何か、明らかにすること。
A 健康診断の日数を増やすことによって一日の検査人数を減らし、午前中の早い時間帯に検査を終了すること。
B 健康診断項目の充実を引き続き図ること。(血液検査のクレアチニン・尿酸・Hb・Alc・胸部レントゲン直接撮影等<校医の指摘>)
C 34才以下の教職員の検診内容を充実すること。
(2) 快適な職場環境にするために、快適職場環境指針の具体化を図ること。
@ 平成14年1月14日付の愛知県総務部長からの要請「教育委員会部局の安全衛生管理体制の早急の整備」に応え、どのような措置をしたか具体的に明らかにすること。
A 職員が50人以上の職場は、衛生委員会を設置しなければならないので、早急に設置するよう指導すること。また、衛生推進者に対しての指導内容と今後の指導計画、50人未満の職場についての検討事項を明らかにすること。
B 合併予定の尾西市には、尾西市立学校教職員衛生委員会が設置されているが、一宮市教育委員会としても設置し、教職員の安全と健康の確保に努めること。
C 労働省通達(92年)の快適職場環境指針に沿って、シャワー室・休憩室などの福利厚生施設を設置する計画を作成すること。
D 校長に対して職場管理者として健康・安全管理の仕事をするように指導すること。また、その職務を養護教諭や保健主事などにさせないよう職場管理者としての責任を明確にすること。
E 全教職員に労安法のパンフレットを配布し、労安法を周知徹底させること。
F 教職員の中での精神疾患者の増加を防ぐため、教職員のためのカウンセラーを充実させること。
4. 公平、明朗な職場をつくり、教職員および組合への差別・抑圧をなくすために
(1) 児童・生徒及び職員に対して人権意識の欠落した発言をする校長を指導し、当事者への誠実な謝罪をさせること。
(2) 「指導力不足教員」について、校長の独断や偏見を防止する手だてを明らかにすること。
(3) 「指導力不足教員認定制度」の名を使って、校長が教員に対して脅しなどの不法・不当な言動を行わないよう厳しく指導すること。また、実施に当たっては当事者等職場教職員の意見が十分陳述できる機会を設けること。
(4) 教職員の中に差別と分断を持ち込む恐れのある「教員表彰制度」や「指導力不足教員認定制度」「教員評価制度」を止めるよう県へ強く要請すること。
(5) 人事に当たっては、本人の意向を最優先すること。万が一、意向に添わない人事を行う場合には、事前に本人に打診し、本人の納得を得るようにすること。
5. 教育予算増額・環境整備について
(1) 「義務教育は無償」の原則に沿って、父母負担の軽減に努め、消耗品は一切公費負担にすること。特に、以下の点について改善を図ること。
@ 算数セット、そろばんは、高額でしかも2年しか使わず長年使用も可能なので、保護者負担ではなく学校備品として公費負担にすること。
A 児童用ゴム印を公費負担とすること。
B 用紙代についての調査結果を明らかにすること。また、全額公費負担出来ていない学校名を明らかにし、校長を指導すること。また、不足の時には追加配当すること。
C 各学校の学校予算・決算を教職員に報告するよう指導すること。
(2) 教育基本法第10条2項の精神に基づき、学校の施設・設備の管理、整備に努めること。特に、以下の点について改善を図ること。
@ 校舎・屋運の老朽化問題に取り組み、耐震対策を行うこと。
A 使いやすくて清潔なトイレへの改修計画を明らかにすること。 
B 小学校1〜4年の児童用机いすが老朽化し不足している。早急に新しいものに取り替えること。
C
遊具やプール等は教育財産であり、管理は「愛知県公有財産規則第19条」にあるように地方公共団体にある。子どもの安全のために、すべての遊具の点検・ペンキ塗りは専門の業者に委託すること。子どもの健康、安全および授業時間の確保のためにプール清掃は専門の業者に委託すること。
D 障害を持つ児童や保護者のためにも、校舎のバリアフリー化を早急に進めること。また、障害者用のトイレも設置すること。とりわけ現在、障害者の児童・保護者がいる学校には早急に予算化し、計画を明らかにすること。
E 全ての障害児学級の教室の改善を速やかに行うこと。(手洗い場、瞬間湯沸かし器、冷暖房設備などの設置)
F クライアントパソコンに一太郎のソフトをインストールすること。
G コンピューター関連のメンテナンス契約の拡充、カラーインクなどの消耗品の充実などを図ること。
H 学校カウンセラーは、現場の要請に応じて派遣すること。また、そのため、一層の増員を関係機関に働きかけること。
I 地方交付税にある図書整備費を、学校図書館の充実に活用できるよう予算化すること。
J 学校図書館に専任の司書教諭を置くこと。当面図書事務を行うパートを置くか図書館ボランティアを派遣すること。
K 図書館のバーコード化による問題点を把握し、その改善を早急に行うこと。
L 子どもの権利条約24条の趣旨に則り、全教室に冷暖房(エアコン)設備を設置すること。当面、各教室の天井部分に扇風機を設置すること。
M 市費事務職員、用務員を完全配置すること。パートで配置する場合は、8時間雇用とすること。
N 子どもの安全を守るため、教育委員会の責任において緊急に防犯体制を整えること。当面、警備員の配置とインターフォン(校内電話)の設置を図ること。
O 教室の照明が暗いので明るいものにすること。
6. 学校訪問について
県教委による「学校運営の改善について(通知)」(平成8年4月16日)の趣旨である諸会議や出張の精選・報告書の簡素化等に基づき以下の点について改善すること。
(1) 学校訪問を簡素化すること。当面、現行の学校訪問は1年おきとし、半日日程とすること。
(2) 研究授業の他校への公開は、事実上研究発表会であり、授業者・反省会記録者に過大な負担を強いているので公開を中止すること。また、研究会参加を強要しないこと。
(3) 地方教育行政法に基づく訪問であるから、内規である「保存簿冊の分類及び種別」に則って帳簿点検するのでなく、法令や規則に基づいた法定表簿(学校教育法施行規則15条)のみとすること。
(4) 設置の法的根拠もなく、「指導する権限もない」(2000年市教委回答)教科等指導員の学校訪問への派遣をすぐやめること。
(5) 全体会での一方的な指導講評をなくし、現場の教職員の要望を聞く時間を勤務時間内に十分とること。
(6) 学校訪問記録は、「該当校の教育活動を振り返る」(2002市教委回答)ためなので、市教委への提出を求めないこと。
7. 教科書採択に関わる問題について
(1) 教科書の採択は、日本国憲法が示す民主、平和、人権尊重と教育基本法の基本理念を擁護する立場に立って行うこと。
(2) 法的根拠が示されていない採択協議会による教科書採択をやめ、各学校単位の採択の実現に向けて努力すること。また、採択協議会での採択に至るまでの経過が、議事録の公開などを通して、明らかにされるよう働きかけること。
(3) 調査委員以外であっても教科書展示会に参加し研究することは、教職員の本務であることを認めること。
8. 補助教材の採択について
(1) 採択権を侵害する「明るい心」「理科ノ−ト」の公費負担を見直し、基準を明文化し、公費の有効な活用を図ること。
(2) 「ことばの広場」「チャオ」「楽しい体育」の採択にあたって、校長の独断がみられる。他の補助教材と同じように、担当教師の協議を尊重して決めること。
(3) 教育振興会の出版物の販売について、特別扱いしないように指導すること。
9. その他
(1) 「君が代」斉唱・「日の丸」掲揚の強要を学校現場に持ち込まないこと。
(2) 現職教育講演会等、市教委主催の行事で市民憲章の唱和をすることは、強制である のでやめること。
(3) 学校でのフッ素イオン導入については、塗布の安全性や効果に賛否両論があること、PTA役員に医療行為をさせること、授業時間を使っていること、養護教諭や担任に集金事務をさせていることなど、問題点が多いので廃止すること。
(4) 「合唱祭」の開催は、問題点がさらに拡大している。よって中止すること。
(5) 心のノートの使用を強制しないこと。
(6) 法的根拠がない教科等指導員制度は教育行政上はもちろん、現職教育の教科とは無関係の指導員の派遣など数多くの問題がある。よってただちに廃止すること。
(7) 市町村合併に向けて、教育委員会として何をどのように検討準備しているか、主な点を明らかにすること。
(8) 職員駐車場を有料化しないこと。
(9) 教職員による児童生徒へのセクハラについて、その対策要綱を作ること。