焼酎とは

大麦、サツマイモ、米、ソバといったデンプン質原料に加えてカボチャ、ニンジン、トマト といった野菜類、さらに黒糖、ゴマ、栗、ワカメ、お茶等々まで、焼酎の原料は実にさまざま である。しかも、その製造方法は基本的には同一であるというから驚きである。 通常の酒は、決まった原料に対して、一定の製造方法で作られる。他の原料への応用は できないのが普通である。そのことからも本格焼酎の製法はきわめて例外的であるといえる。

 本格焼酎の製造方法

その秘密の製造方法というのが、明治の終わりに開発された二次仕込法である。 日本酒と反対に、南国で作られることの多い焼酎の天敵は腐敗である。 蒸留した焼酎は決して腐敗しないが、蒸留前のモロミは腐敗しやすい。 二次仕込法には腐敗防止のための二つの工夫がなされている。 これにより高温長期熟成が可能になったのである。
1.発酵の段階が一次モロミと二次モロミの二つに区分されていること。
2.クエン酸を生産する特殊なモロミ(一次モロミ)を使用すること。

一次モロミ

一次モロミというのはこうじと水と酵母からなる酒母のことであるが、こうじから抽出される クエン酸によりモロミが強い酸性状況下に置かれ、これが空気中などから混入する雑菌の繁殖を 抑えて、酸性に強い特性を持つ焼酎酵母菌だけが増殖する条件を作り出すものである。

二次モロミ

これに水と主原料であるサツマイモ、米、麦などを加えて発酵させたのが二次モロミである。 一次モロミで増殖した大量の酵母により直ちに発酵が始まり、主原料の甘い糖分をアルコールに 変えていく。
一次モロミから持ち込まれたクエン酸と、酵母の作り出したアルコールにより腐敗することなく 安全に発酵が進行する。この二次モロミを蒸留した液体が焼酎の原酒となるのである。 この蒸留工程でクエン酸が混入してしまうと酸っぱい焼酎ができあがってしまうように思えるが、 クエン酸は蒸発しない酸なので、焼酎の中に入ってくることはない。

え?値上がり?!

酒税が低い焼酎は、日本酒や他のスピリッツに比べ一段低く見られることが多かった。 しかし、安くて手軽に飲めるところに人気があった。 特に九州・沖縄地方では、日本酒よりも焼酎が多く飲まれている。 日本酒文化圏と焼酎文化圏は見事に別れているようである。
ところが、1997年12月、イギリス等のスピリッツ生産国の横槍により、焼酎の税率が 1.4倍に上がり、その分ウイスキーなどの税率が下げられた。市場での競争力が下がった焼酎は その分高いクオリティを持つために努力することになった。その結果、我々は美味い焼酎と、 免税店よりも安いスコッチを飲めるようになったのである。

甲乙ついてます

焼酎は甲類焼酎と乙類焼酎に分かれている。

甲類焼酎とは、砂糖を作るときの副産物である糖蜜を主原料とし、連続式蒸留機で蒸留したもので、 無味無臭に近い味わいである。梅酒などの果実酒を漬けるときのホワイトリカーがそれである。

乙類焼酎は、穀類やいも類を麹で糖化・発酵し、単式蒸留機で蒸留したもので、にぎやかな風味がある。 これまで述べてきた焼酎についての話は、すべて乙類焼酎のことであり、個性的な銘酒が数多く存在する。

甲乙と言うと甲の方が優れているように思えるが、焼酎に限ってはそれが当てはまらない。

本格焼酎

本格焼酎と呼ばれているのは、乙類焼酎のことである。 ただし、乙類焼酎の中でも沖縄の『泡盛』だけは『本場泡盛』と表記されている。
十数年前の焼酎ブームは甲類焼酎をアルコール分として使った焼酎割り(カクテル)で、 焼酎の味などどうでも良かった。それどろか、かえって特徴のないものの方が好まれた。
しかし、最近は焼酎の質が向上したせいか、しっかりとした味わいの本格焼酎が好まれている。 特に、良質な長期熟成酒も作られるようになり、海外のスピリッツに劣らないものも現れてきた。 これからの本格焼酎・本場泡盛の行く末が楽しみである。


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