『太古一尊』は、球磨焼酎の六調子酒造で極少量生産されている。もともと長期貯蔵の熟成酒 『圓』、『心月』を作っている蔵である。
現在の酒税法では、三年以上貯蔵した焼酎が50%以上ブレンドされていれば『古酒』 の表示が可能である。しかし、新酒を半分近くもブレンドすると酒はすっかり若返ってしまい、 古酒独特の味と香りは打ち消され、バランスが壊れてしまうと考え、古酒100%を貫いている。
1999年の年末、六調子酒造の気まぐれで、10年寝かした焼酎を作ってしまった。 それが『太古一尊』である。黒木酒造の『百年の孤独』を筆頭とする、現在の長期熟成焼酎ブーム とは関係なく、10年前に仕込んだ古酒は馥郁たる香りと芳醇な味の膨らみを持つ最上級の焼酎に 仕上がった。これはもはや焼酎の枠を超え、ブランデーの『ポール・ジロー』、 ウイスキーの『マッカラン』、ラムの『ラパラン』に迫るような出来ばえと言えば 言い過ぎであろうか。
ただし、残念なことに『太古一尊』は、全国でも三軒の優良酒販店でしか販売されていない。 市販を目的としていなかったため(商売抜き)、2000本分程度しか生産できないうえ、 この2000本が終わってしまったら、三年は待たないと次の『太古一尊』は味わえない。 私の分がなくなると困るので、販売店名は伏せるが、運良くこの焼酎に出会えた方は ストレートでゆっくりと楽しんでいただきたい。間違ってもウーロン割などしないように・・・。


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