ブランデーとは

果実を原料として醸造して精製した果醪、または酒類を蒸留して得られた酒を言う。 この点が他の穀物酒とは一線を画するところである。
ブランデー、ワイン以外の酒は、穀物から作り出される。
食べるための米や麦を丹精込めて栽培し、それを穫り入れ収穫を喜び合う。 そして、その一部をご褒美として酒にし、皆で楽しんだ。
そのままでも充分に甘く美味な果実を酒にし、さらに蒸留してしまうブランデーは もっとも贅沢な酒であるのかもしれない。

 ブランデーの誕生

ブランデーの歴史は、8世紀の錬金術師がワインを蒸留した時点から始まったとされている。 12〜14世紀頃にイタリア、スペイン、南フランスの各地で錬金術師や医者がワインを蒸留した という記録が残っているが、特にブランデーの租とされる14世紀初めのヴィルヌーヴは、 ワインを蒸留して得られた酒を『オー・ド・ヴィー(命の水)』と呼んだ。
初期のブランデーは、当時としてはもっともアルコール分の高い酒類であったことから、 飲用以外に医療用としても用いられた。

コニャック

ブランデーと言えばコニャックが有名であるが、 もともとはコニャック地方でもワインを生産していた。 しかし、酸度が高く、糖分の少ないブドウを原料にしていたため、 すぐ南に位置するボルドー地区のワインと比較して不出来であった。
17世紀の入り、コニャック地方にも蒸留技術が導入され、さらに、 19世紀のナポレオンの援護によって、コニャック地方は一躍オー・ド・ヴィー の銘産地として名をはせた。
コニャック地方の6地区で異なった品質のブランデーが作られている。 繊細な香りのグランド・シャンパーニュ、きめ細かい香味のプティ・シャンパーニュ、 豊満なボルドリ、軽快なファン・ボア、軽いがきめの粗いボン・ボア、 平凡なボア・ゾルディネールといった特徴を持っている。
これらをブレンドして製品にしたのがコニャックであり、 柔らかく芳醇な香りと味わいは、繊細で多彩である。

アルマニャック

コニャックとともに、フランス産オー・ド・ヴィーの双璧をなすアルマニャックは、 コニャックより2世紀近くも前から製造されていた。 コニャックに比べ、複雑な香りと豊かな味わい、野性的で力強い風味を持ているが、 華やかさ、洗練さという面で一歩譲ってきた。近年は、軽快な酒質に変わりつつある。

カルヴァドス

葡萄で作ったものだけがブランデーではない。 リンゴのアップル・ブランデー、ナシのポワール、サクランボのキルシュ、 黒スグリのカシスなど、ブドウ以外を原料としたブランデーも有名である。 特にフランス北部、ノルマンディー地方カルヴァドス県で製造されたリンゴ・ブランデーの ことをカルヴァドスを呼ぶ。リンゴに由来する甘い香りが魅力で、多彩な風味を持つものが 存在する。特にペイ・ドージュのものは、蒸留に単式蒸留機を使用するが、カルヴァドスの 中では最も良質であり、ドージュと呼称することが認められている。

ブランデーの原料

原料ブドウとしては、耐病性が強く、熟成が遅く、酸度が減少しない品種であるサン・テミリオン が多く用いられている。このほか、コロンバール、フレンチ・コロンバール、フォル・ブランシュ が用いられる。
なお、赤ワイン用ブドウは果皮に高級脂肪酸が多いため、赤ワインを蒸留したブランデーにも 脂肪酸が多くなり、官能評価が悪くなる。このため、ブランデー用原料としては用いられない。

蒸留法

蒸留方法は、コニャック方式とアルマニャック方式に分けられる。
コニャックの製造では、シャラント型蒸留機と呼ばれ、モルト・ウイスキーで採用されている、 単式蒸留機と同一の原理に基づく蒸留機を使用する。
アルマニャックの蒸留は、グレーン・ウイスキーで採用している、カフェ型蒸留機と 同一の原理に基づくアルマニャック型連続式蒸留機が使われる。

熟成年数について

ブランデーは熟成によって生まれる香りと味わいが命であるから、熟成年数は重要な意味を 持っている。コニャックでは、スリー・スター、VO、VSOP、ナポレオン、XO、 エクストラなど多くのクラスがあり、上級のものほど熟成年数の長いものを多く ブレンドしている。しかし、これにはしっかりとした基準があるわけではないので、 同じクラスでも、会社によって品質が異なる。

ナポレオンを注文しないで

ナポレオンというのがブランデーの銘柄だと思っている方も多いようだが、 バーでナポレオンを注文すると、それだけでカウンターが埋まってしまうことになる。 ブランデーの発展時期がナポレオンの時代であったこと、クルボアジェがラベルに 使用して成功したことなどから、ナポレオンが使われ始めたようである。 いまでは、ブランデーのひとつのクラス(上級銘柄)として定着している。


ブランデーのメニューへ飛ぶ メニューへ飛ぶ ブランデーの分布へ飛ぶ