
1650年創業のポール・ジロー社はグランド・シャンパーニュ地区ブードビル村にあり、
栽培業および蒸留業を兼ねている。原料のブドウの約95%は、サン・テミリオン種である。
同社では、機械によってブドウ以外の葉や虫を一緒に摘んでしまうのをきらい、
今でも手摘みでブドウを収穫している。さらに、農薬の散布は最小限にとどめ、
収穫前に使用することは絶対にない。
同社の製品には、ナポレオン、XOというような名前は付けられていない。
15年、25年、35年といった貯蔵年数で呼ばれている。つまり、ポール・ジローには
同じ年に収穫したブドウしか使われていないのである。『若いコニャックブレンドすると、
古いコニャックの味が台無しになってしまう。』という同社の考えに基づいている。
他のブランデーがブレンドにより味を作っているのとは正反対である。
ポール・ジローの酒色を見ていただきたい。15年、25年、35年と年を経るにしたがって、
色が濃くなっている。樽で眠っていた時間分だけ、色が付いたのである。
決して、色付けなどしたわけではない。
一般の多くのコニャックと違い、同社の全製品には、色・味を調整するための
シロップ、カラメルなどの添加物は一切使用されていない。
一度で良いからポール・ジローを飲んでいただきたい。
そのピュアで澄み切った味わいは、きっとブランデーに対する概念を変えてくれるはずである。
ポール・ジローこそジャン・フィーユとならびコニャックの頂点を極めたといえる。