紅茶徒然話

 1995年6月インド・ダージリン1997年11月スリランカに続き、念願のアッサム6月14日から20日まで行ってきました。代休がたまっていたので急遽旅行を決めたので、ドタバタ、アタフタと夫婦二人で弥二喜多旅行になりました。アッサムのことは日本語のガイドブックにはほとんど情報が載っていません。インド大使館に問い合わせてみると入域許可は要らず普通のビザで行けるとの事、でもインド政府観光局にも英文の短い資料があっただけでした。Yahooのアジア版で検索したassamtourism.comでも茶園より動物園やゴルフコースがお勧めになっています。外務省の渡航安全情報ではカルカッタからオリッサ州を抜けて陸路アッサム州に入るのは紛争地帯で危険とありますし、列車の旅は時間がかかりすぎるので空路を選ぶことになります。lonely planetの英文のガイドブックを片手に計画をたてました。lonely planetの"India"を選んだ理由はちゃんとインド専門のライターが書いていることと、更新情報用のサイトを持っているからです。アッサム州には油田があるそうでアッサム州最大の都市ガウハーティーには高級ホテルも3軒あります。ティーボードもオークションセンターも大学もここにあります。蚊が多いので日本脳炎やマラリヤに注意との事で、携帯用の蚊取りや虫避けスプレーを買いこみました。服装も長袖や長ズボンが安心との事です。でも、幸いにも今回はほとんど蚊に刺されませんでした。(2000.6.20)



 宇治の京都府立茶業研究所を見学してきました。煎茶の茶摘みの時期は過ぎていて、てん茶(抹茶の原料)の製造中でしたが、日本茶を専門家から学ぶことは紅茶に対しても新たな発見がありました。 宇治の茶業研究所では研究用に様々な茶樹を栽培しています。茶樹は実生で増やすと、形質が変化してしまう可能性があるので、挿し木で増やしています。インドの紅茶でも挿し木栽培されたグレードの最後にクローナル(CL)の表記があるものを時々見かけます。スリランカの茶園でも挿し木苗を見ました。
 素人目にはあまり区別がつかない茶樹の中にベニホマレという葉が赤い珍しい品種があり、花も赤いので(普通茶の花は白)、庭木として欲しがる人が多いそうです。この木は紅茶向きの品種だそうです。 インドやスリランカの茶園と比べて手入れが行き届いてるのは驚きます。日本では煎茶は機械摘みなので、それに合わせて茶樹の背丈が低いのですが、インドやスリランカでは胸もとくらいの高さがあり、品種の違いかとも思っていたのですが、手摘みの玉露やてん茶(抹茶の原料)の木は胸くらいの高さになっていました。放っておくと2mくらいの高さまで成長するそうです。
 品質管理の厳しい紅茶の茶園ではフラワリーオレンジペコー、オレンジペコー、ペコーの3枚摘みですが、覆いで遮光して育てられた玉露ではその2枚下(スーチョン)位までを新芽が開ききらないうちに(出開き)摘みます。この時期に茶葉に味がのり、しかも下の葉も固くなりき
らないからです。(2000.5.19)


 宇治の京都府立茶業研究所を見学してきました。煎茶の茶摘みの時期は過ぎていて、てん茶(抹茶の原料)の製造中でしたが、日本茶を専門家から学ぶことは紅茶に対しても新たな発見がありました。 新幹線の車窓から静岡の茶畑を眺めていると斜面に茶樹が植えられています。ダージリンでも山肌の急な斜面に茶畑が広がっています。摘み取りや灌漑のことを考えるととても不便な気がし、他の作物を育てるのに不適当な土地に茶樹を植えているのかと考えたこともありました。今回の見学で茶樹は乾燥には比較的強いが、水はけの良い土地でないと育たないと教わりました。田んぼのように水がたまってしまうようなところは向かないので斜面とか、川沿いの砂地とかに植えられているのです。 (2000.5.19)
 ダージリン・オータムナルが店頭に出まわるシーズンになりました。まだ、数種類の茶園しか試していませんが、かなり良い物を見つけました。マーガレットホープ、オカイティ、の中にナッツ系統の香り、味わいを持つものを見つけ懐かしく思いました。15年くらい前の高級ダージリンにはこの味わいはよくありました。
 また、オカイティのサンプルの中に、高級煎茶に似た、強いアミノ酸系統の香り味わいを持つものを見つけました。かなりぬるいお湯で入れるととても美味しく、素晴らしいものでしたが、そのお茶は既に茶園には無く、日本以外に売ってしまったようです。(2000.2.21) 


 一昨年の春、茶摘み労働者のストライキをきっかけに、紅茶の品質が大いに低下してしまい、そのくせ品不足で価格が高騰しました。昨年夏の作柄に期待していたのですが、価格は高騰したまま、品質は戻らず、ディンブラに至ってはこの2年間美味しいものに出会っていませんでした。
 昨年秋、スリランカの紅茶はようやく回復の兆し?まだ、オフシーズンですがディンブラ、ディコヤ、キャンディーなどを11種類を飲む機会があり、少しおいしくなったと感じました。オフシーズンの紅茶なのでまだまだ香りと味に甘味が少ないのは仕方ないが、このところの変なクセ(辛味、エゴ味)は無くなりました。今年のディンブラが楽しみです。(2000.1.7)

 品質の低下から立ち直れないスリランカのウバのベスト・シーズンになりました。今年は期待したいところですが、10種類ほど試飲する機会がありました。個々の茶園の特徴はわかるものの今ひとつ、ふたつ香りと味に甘味が少ない、昨年より、イヤな辛味、エゴ味は少なくなりました。来年のディンブラに期待が持てます。でもまだ、半額でも買いたくなりません。(1999.8.20)


先週ダージリンの労働者がストライキに続き、ダージリンからの情報ではセカンド・フラッシュの時期なのに大雨が降り続いているようです。セカンド・フラッシュも良いものが期待できなさそうです。(1999.8.13)

98年秋からダージリンでは極端な少雨で、今年のファーストフラッシュの作柄にも影響が出ていました。オークション・サンプルのDJ-NO.が例年よりかなり若いようで、やはり収穫量は少ないようです。ところがセカンドの時期に入ってから、雨が多く今度は品質の劣化(収穫直前の雨は品質劣化につながる)が目立つようです。その上、先週ダージリンの労働者がストライキを起したようです。このままストライキが長引けば、今年のセカンド・フラッシュは壊滅的です。昨年春のスリランカでのストライキは、未だに品質劣化の影響を残しています。(1999.7.20)


 最近、ダージリンで例のM茶園の成功に続けとばかりに有機無農薬紅茶が増えているそうです。あの災難続きのC茶園も最近、有機無農薬紅茶の認証が取れたようです。4年前に行ったときは日本ではまだ有名でなかったけれど、良い時のキャッスルトンを彷彿するほど品質でした。その後マネージャーが替わり怪しい方向へ向かっているように思えます。C茶園は無名時代に見つけて関係者に勧めた程思い入れがあるだけに残念です。2、3年で有機無農薬紅茶の認証が取れるのですか?(1999.7.17)

ダージリンのA茶園で自然にフレーバーがついた珍しいお茶と言って、ジャスミン・フレーバーがするダージリンと、ローズ・フレーバーがするダージリンを、実は後で香料で着香している紅茶を売り出しているそうです。信じられないことをする人もいるんですね。
 その後、その茶園は罰が当たったのか、火事で工場が燃えてしまったようです。こんな子供騙しのような詐欺行為にひかかる業者はいないと思っていたら、火事で燃える前に日本に一部が輸入されているといううわさを聞きびっくりしました。テイスティング能力が無くて騙された紅茶店は仕方が無いかも知れませんが、善良な紅茶ファンを騙すなんて許されません
 見つけた方はメールでお知らせ下さい。見分け方は乾燥した茶葉を嗅いでみてダージリンの香り以外にジャスミンやローズの香りがする場合は着香されたものです。もし天然でそのようなフレーバーがつくとすれば熱湯で抽出して、かすかに香りがするような程度です。
(1999.6.17)


 98年秋からダージリンでは極端な少雨だったそうで、今年のファーストフラッシュの作柄が心配されましたが、アーリー・ファーストフラッシュを飲む限り、心配は杞憂に終わったようです。また、バラスン茶園のファーストフラッシュ・マスカテルというのを見つけ、上手に入れると本当に干しぶどうの香りがするので驚きました。マスカテルはセカンド・フラッシュにできるのだと思っていたからです。

その後、今年4月末にダージリンの茶園を視察に行った方の土産話では、やはり少雨のためにダージリンの茶園は疲弊している印象だったそうです。茶樹が立ち枯れしかけていたとか。収量も減っているのに、何故か卸売り段階では高値取引されていないので、収入源で茶園の手当てができないらしいのです。普通の感覚なら、ある程度の品質のものなら品不足でかえって高値になり、収入は減らないと思うのですが…。
 また、現在はセカンド・フラッシュの季節になりましたが、オークション・サンプルのDJ-NO.が例年よりかなり若いようです。やはりまだ収穫量は少ないようです。(1999.6.12)


 先日、紅茶教室一日体験講座をあるカルチャーセンターで開催しました。紅茶教室は参加するのも始めてです。ジュニア・ティー・インストラクターの知人を助っ人にお願いしました。金曜日の午前中なので、参加者は16人でほとんど主婦です。それぞれポット持参で来てもらいました。時間は90分。とりあえず、ティー・コゼーを大小取り混ぜて準備し、ブレンド・ダージリンを主体に2種類の紅茶を自分で入れてもらうよう準備しました。ポットで紅茶を入れるのは始めてという人から立派なポットにコゼー持参の人まで色々でした。メリオールを含めてポットをわざわざ2、3個持ってきた人も何人かいて頭がさがります。メリオールはこれからはコーヒー用にするように説明しました。
 慣れないせいもあり、講習はかなりあたふたしたものになってしまいました。そして講習を受けて入れても、リーフ・ティーはいまいち香りが良くないという批判的な意見がでました。紅茶を何杯も飲んで口も渋くなってきたことだし、口直しと言って、上述の”紅茶のリーフパイ”を食べてもらいました。皆、紅茶の良い香りと満足です。
 そこでかねて準備の”合成香料”ブラックティー・エッセンス ダージリン”を脱脂綿に含ませたものを嗅いでもらいました。本物のダージリンとは似ても似つかないけれど誰でも嗅いだことのある香りです。紅茶クッキー、紅茶飴、紅茶アイスクリームなど今までおいしい紅茶の香りだと思っていたものの中にこの香りが着香したものが多いのに気づいて驚いていました。
 ついでにベルガモット・フレーバー・オイルも嗅いでもらい、アールグレイの香りはこれでつけ、自然にこの香りがついた紅茶はないことを説明しました。日本人は柑橘類系の香りがもともと好きで、シャンプー、コロンなどにも多いので、アールグレイ好きも納得できます。また、ほとんどの紅茶飲料には僅かながら香料が添加されているので、知らないうちに香料に慣れてしまい、本物の紅茶の香りがわからなくなっている人が増えているのかもしれません。(1999.5.23)

かねて女性にアールグレイの人気が高いのは知っていましたが、自分たちは滅多に飲まないので、人気の理由がわかりませんでした。紅茶を使ったお菓子のほとんどが先の香料かベルガモットを使っていて、”アールグレイ使用となっていない場合はその風味が許せない”とたまたま人に言ったら、何とその場にいた女性のほとんどがアールグレイが着香されているのを知りませんでした。ベルガモットが紅茶本来の良い香りだと思っているらしいのです。そう言う人にダージリンやディンブラの香りが薄くておいしくないと言われるとちょっと悲しいです。アップルティーのようにベルガモット・オレンジティーと表記してくれれば良かったのに、人の名前だったために…。(1999.5.17)

生協のオリジナル商品は食品添加物に神経質と聞いていましたが、すごいものを見つけてしまいました。紅茶のリーフパイ:ダージリン茶使用”ダージリン茶の香りを折り込んだリーフパイ。紅茶の香りと軽い食感をお楽しみ下さい。”とあり、原材料は小麦粉、マーガリン、砂糖、紅茶エキス、脱脂粉乳、紅茶葉、食塩、香料となっています。たしかに、紅茶の微粉末が入っていますが、ダージリンの香りが全くしません。何と、T社の合成香料”ブラックティー・エッセンス ダージリン”の香りです。T社には”ブラックティー・エッセンス セイロン”もありますが、どちらも本物の紅茶とは程遠い香りです。紅茶の香りとうたうのは許せません。(1999.5.17)


ダージリンのちょっと前まで人気だったM茶園が最近有機無農薬紅茶の認証を取り、日本でも環境保護系団体の通販カタログなどで売っていました。それで、売れに売れたそうです。ダージリンでは農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤等)や化学肥料はもともと少量しか使っていないのではないか、と言うか、もう少しお金と手を茶園にかければ品質も向上し収量も上がるのにと言う茶作り専門家の感想を聞いたことがあります。でも、M茶園は注文に応じきれなくなり、他所の茶園から紅茶を買って混ぜて売ったそうです。それをたまたま、日本で検査したら残留農薬が検出されてしまったとか。スリランカ産やケニア産にも有機無農薬栽培紅茶がありますが、大丈夫なんでしょうか?大手スーパーとか生協でよく売れているそうです。不正事件は別にしても品質が大して良くない割に価格が高すぎると思うのですが…。ちょっと考えてみる必要がありそうです。(1999.5.17)


今年1999年春、幕張でFood-Exとか言うイベントがあり、あるブースでCで始まるの人気茶園のDJ-1(初づみダージリン)が展示されていたそうです。たまたま、そこにインドからその茶園のオーナーが視察に来ていて、まだ出荷していないはずの自社の紅茶を見て不審に思い、すぐにカルカッタの責任者に問い合わせたそうです。すると、DJ-1は未出荷でまだカルカッタに全てあるとの返事だったとか。そこで、先のブースに戻って、自分はC茶園のオーナーで、そのダージリンは偽物である旨伝えたそうです。青くなったのはそのブースの出展者で、悪いシッパー(輸出業者)にだまされたみたいです。それが、C茶園のオータムナルの最終のものだったか、去年のDJ-1だったのか、別の茶園のものだったかは不明です。有名茶園のDJ-1は日本でのみ人気があるようで…。(1999.5.17)


スリランカのお茶は1998年の春ストライキがあり、茶摘みが遅れ、品質が大いに低下してしまい、そのくせ品不足で価格が高騰しました。今年の作柄に期待していたのですが、価格は高騰したまま、品質は戻らず、ディンブラに至ってはこの1年間美味しいものに出会っていません。ウバのベスト・シーズンに期待したいところですが、最近はメンソール・フレーバーが強いのが気になります。以前はメンソール・フレーバーのするウバはなかったのですが、製法か茶樹の種類が変ったのでしょうか?ちょっと疑問です。(1999.5.7)


ダージリンの有名茶園もマネージャーがヘッドハンティングされてしまうと味が変ってしまいます。紅茶の味はグレードより茶園、茶園より茶園のマネージャーの腕で品質が決まってしまいます。最近この茶園味が変ったな?と感じていたらマネージャーが替わったと後で聞かされたこともよくあります。
 オークションサンプルのリストを見ていると参考価格が同じSFTGFOP(現状最高グレード、20年前はTGFOPが最高)で10倍以上の差があります。同じ茶園のお茶も収穫ロットによって参考価格に数倍の開きがあったりします。グレードやブランド(有名茶園)に惑わされず、自分の舌で選びたいものです。有名茶園のSFTGFOP-1だから高価で当たり前、品質が確かという保証は全くありません。(1998)

 ここ数年、ダージリンのファーストフラッシュがもてはやされていますが、本当に美味しい紅茶なんでしょうか?確かに新芽が多くて青々としてフレッシュな独特の味わいもありますが、どちらかと言うと渋味が強く、誰にでも美味しい味とは言い難いような気がします。聞くところによるとダージリンのファーストフラッシュの多くは日本人とドイツ人が買い、近年値段を釣り上げてしまったそうです。日本茶で八十八夜の初摘みを飲むと無病で長寿に至るなどと言う感覚が紅茶にも及んでいるのはないかと思っています。実際にはセカンド・フラッシュのお茶の方が味わいが深いと思っています。(1998)


最近はティー・テイスティングに関心が出てきたようで驚きです。テイスティング・ポットは同じカテゴリー(産地、収穫時期、製茶方法が同じもの)のお茶を同時に同一条件で比較審査するためのもので、美味しい紅茶を入れる道具ではありません。ある紅茶セミナーでは何と、ダージリン、アッサム、ウバ、キーマンのように産地も製法(オーソドックス、CTC)も違う紅茶にアールグレイのようなフレーバーティーまで混ぜてテイスティングするように教えているそうで、厚顔無恥には呆れるばかりです。そしてその程度の内容でディプロマ(終了証書)を出しているんだそうです。
 また、テイスティング・ポットを一人用のティーポットとして結構高く売っている雑貨屋さんもあるようなのですが、素人を騙しているようで、ちょっと許せない気がします。私は普段はテイスティング・ポットは使わないのですが、大量のテイスティグをする時は便利ですね。(1998)



1997年5月に宇治で茶問屋の工場を見学させてもらいましたが、茶葉の保管が温度5℃、湿度50%以下に保たれた保管庫に密封して入れられているのに対し、紅茶は常温の倉庫に置かれていたりするし、包装形態もすべてがアルミの密閉パックとは限らないので、紅茶を買ったら日本茶以上に賞味期限は短いと考えた方が良いと思いました。インドの茶園にはこのような保管の設備はどこにもありません。
今回の旅行中、コロンボでスリランカの国立紅茶研究所の前所長を紹介されたので、紅茶の正しい保管方法について質問してきました。上記の日本茶の保管方法を話すと、紅茶も同じでアルミの真空パック窒素ガス充填低湿保存が良いと言われました。但し、冷凍保存は避けた方が良いそうです。理由は包装内のわずかな水分が細かい氷となり、茶葉を傷つけ香りを損なうので、絶対に冷凍庫に保管してはいけないとのことでした。また、コロンボの茶商のテイスティング・ルームでは従来のチェスト(木箱)にかえて、真空パックやアルミパックの効果を試験中でした。(1997.11)


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