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*** ユーザー(持込み)車検体験記 ***

(1)検査の予約(2)車検を受ける準備 (3)書類作成 (4)いよいよ検査ライン (5)出戻り(6)再トライ (7)あとがき


--- はじめに---
デリカバン4WDの車検を受けました。('98.11.19)

はじめに一言
「こんなものだったのか 車検って、難しく無いって聞いてはいたけど、馬鹿みたい。変に思い込んでいて、」
「大きな勘違いをして来て本当に損をした。」 これが受け終わった感想。

やはり車検の検は検査( 試験の験とは違う )合格のために点数が必要ではなく、
不合格部分がなければOKと言うのが基本。
「普段、問題無く走っているのなら、不合格になる方がおかしい。」そう考えて間違い無い。
難しく考えるのが、大きな間違い。

デリカ他
< 車検場にて >

(1) 検査の予約
電話で 検査時間の予約を入れました。{コンピューターで受付けています}
昨年の1回目には 直接検査場へ電話を入れ、受付け電話番号を教えてもらい予約をしました。
今回はその電話番号が分かっていたので一歩リードした感じ。(TEL NO. 0565-53-3311 )
予約方法はコンピューター音声にしたがってプッシュホンのダイヤルを押していくだけ。
"ピッ と鳴ってから "の"ピッ"が待ちきれず、押してしまうミスも何度か有りました。
( 勇み足、勇み足ッ )

(2)車検を受ける準備( 保険・前整備・点検 )
@ 自賠責保険
JAにて 15,350円 支払う。「乗りかかった舟、もう後には引けない。」と気を引き締める。
最悪、ユーザー車検代行会でも、という甘えもあったが・・・・。
なお、"任意保険を延長する際に少し割引がつく"という、サブメリットも発生します。

A はじめは、洗車、ワックスがけ
車検を受ける時の、検査官のイメージアップ(?)が 主目的の洗車を行なう。
( 女性がお見合いの時 化粧を念入りにするのと同じ?)
前回の洗車はいつだったろう。{たぶん 昨年の車検の時以来は洗車していなかった。}
ここ1年間はほとんど走っていない。(2,500km程度)
勿論 オフロードなどは走っていないから、特によごれてはいないと思う。
昨年同様、コイン洗車へ走った。満車だった。
日曜の午後、しかも 機械が1台故障中といった最悪コンデションだから満車なのも致し方ない。
結局、自宅ガレージ前で 洗車することにした。
下回りはホイールハウスのみ。外回りはルーフ以外を洗車。
水道水をホースを使ってかけ、( 和歌山のひ素事件で何度か見たシーンを思い出す。)
次に ウエス(ぼろ布)を使って 拭き取った。…これで ほぼ きれいになった。
最後に ワックスがけ、半練りワックスを適宜 付け 乾いたウエスで 磨く。
まだ、購入して2年しか経過していないせいか、新車同様の輝きを取り戻した。
ここまでの所要時間は 約2時間(洗車からワックスがけ終了迄)。

B 前日の整備・点検
a.エア(タイヤ)空気圧のチェック
運転席のドアの開口部に 適正空気圧が記載されたシールが貼付されている。
その値を参照し電動ポンプで空気を入れた。 約10分位かかった。( 空気圧ゲージでチェックした )
空気圧ゲージは手持ちが有ったので、今回購入した訳ではないが、
それ程 高価な物ではないし(千円でおつりが来る)購入して日ごろからチェックする事をお勧めしたい。
…空気圧チェックは安全点検の基本の一つと思うから。…
ポンプについては 足踏みタイプが2千円ぐらいで入手できるが、
エア入れについては、ガソリンスタンドでサービスで入れてくれるから無くても困らない。

b.エンジンルーム内チェック、洗浄
< バッテリー、冷却水、ベルト類、ウォッシャー液量のチェック >
・バッテリー:メインテナンスフリーのバッテリーなので比重までは
測定しなかったが、液量を確認した。
・冷却水 : 液量を確認、不足分は念のため汲み置きの水で補充した。
(カルキぬき)
・ベルト類のチェック:俗にファンベルトと呼ばれているベルトのチェック。
見て老朽度を、押してみて 張り具合をチェック、やわらか過ぎず、硬すぎず、でOK。
・ウォシャー液量チェック:デリカのタンクはエンジンルーム内にはなかったが、満タンに補充。
・エンジンルーム内洗浄 :ウエス(ぼろ布)でエンジンヘッド部その他ルーム内の汚れをふき落とす。
( プラグコードを抜いてヘッドの汚れを )

c.光軸調整(チェック)
一応 ヘッドライトの光軸の狂いを調べるが、車の前に立ち、
ハイビームを点灯し焦点位置をひざにテーピングして、そのまま後退、
上側、外側への位置ずれが無いことを 確認。
{ 不合格なら 検査場向いのテスター屋で3千円で調整してくれるとの事。}

d.発煙筒チェック
有効期限切れで無い事をチェック。・・・( たぶん チェックは無いと思うが、念の為 )

e.ウインドウウオッシャー吹出し口の調整
ウオッシャー液を出してみて勢い良く、ウインドウに吹き付けるかチェック、調整。
(これは 検査時に チェックが有るので必要)

f.不必要な物の取外し(装備品取り外し)
・レーダーセンサー取り外し
・後付けバックランプ取り外し
・ホイールキャップ取外し ← これは 本で読んだが忘れずに

g.その他
ルームランプ交換(球切れ)

h.チェックシート作成(昨年は使用したが、今回は不使用)
・備え付けの整備記録簿をコピーして 整備チェックシートを作成、
これにボールペンでチェックして整備検査シートとして用いた。
今回は、
窓口で 別にチェックシートが配布された。それは A4縦長で 認め押印が必要な物。これを使用した。


(3)書類作成 ( 車検場にて )
費用(1万5千円ぐらい必要・・・4ナンバーは安い) と 認め印を準備。

@ いざ出陣
朝、8時4分に出発、車検場着は8時42分
予約時刻は8時50分から だったので、30分前の8時20分には現着したかったが、まあまあ と言ったところ。

本館 西館
< 本館 > < 西館 >

A提出書類の購入(本館西建屋N窓口)
4枚セットで1部55円。念のため2部購入した。

15番窓口 12番窓口
< 15番窓口 > < 12番窓口 >

B提出書類記入
持ってきた、車検証の内容の適宜該当箇所をうつすだけで とても簡単だった。
車体番号は 頭のアルファベットは書かず、番号だけ書けばよかった。
その他 注意事項として(後で担当官に指摘されたが)
・本人持込みでも 代理人の欄に TEL.NO.の記入。(全部で2箇所あった)
・コンピューター読取り部分は鉛筆で書く。
以上の指摘があった。
又、自動車検査シートも 書類購入時に配布されたシートに書き換えて作成した。

C重量税印紙購入(K窓口)
印紙購入は用紙に記入の上提出。(用紙は窓口でもらった)
購入した 印紙は13,200円だった。(車両総重量2500Kg以下自家用貨物車)

D検査手数料印紙の購入、添付(N窓口)
1,400円の印紙を窓口で購入、自動車検査シートの所定の位置に貼付した。

**** ここまでくれば 7割終了 ****

提出書類A 提出書類B 提出書類C
< 提出書類 >

8番窓口 提出書類積み重ね順
< 8番窓口 > < 提出書類積み重ね順 (8番窓口付近) >

E本館G番窓口へ
指定された順番に並べ 、本館G番窓口へ提出。
記入もれ等をチェックしていただき
( 追加訂正部分はオレンジ色の色鉛筆でマーキングして頂けた )
追加修正を済ませ書類を再提出。
以上で書類手続き終了。ここまで 約30分間経過

**** ここまでくれば8割終了 ****


(4)いよいよ検査ラインへ ( 車検場にて )
今日は木曜日だからか、ラインはとても空いている。( 火曜日の午前中だったせいか?)
昨年は前の車に続いて検査ラインに入れ 前の車を手本にして検査を受ける事ができたのに・・・・・。

@前検査
検査ラインの入り口付近で チェックを受ける。
受け方は簡単、検査官の言われる通りに操作すればよい。
ワイパーウオッシャーをだしたり、ハザードランプ(パーキングランプ)を点けたり、
最後はエンジンルーム内を見て同一性の確認。これで 一通りの作業は終了となる。
今回は この時 不合格箇所が指摘されてしまった。
" 荷室と運転席間の仕切り棒がない。" という事であった。
シートのリクライニングが制限される上、後席との移動に邪魔になるため、
ワゴン車には無いのだからと取外してしまった物である。
「本で読んだのですが、取りあえず全て 検査を受け 、その後で 不具合部分を直して
その不具合部分の検査を受ければよいと。」
予め、不具合発生時に 準備しておいた 発言をした。
「ええ、後で、誰か検査官に見てもらって下さい」
取りあえず、先へ進む事を許可された。

ライン
< ライン(手前が1工程)>

A ライン1
「 ライン上は表示燈の指示に従って行動するだけ。
特殊な技能を持った人でなければ出来ないと言う事は絶対に無いはず。
万が一合格しなかった場合でも、不合格部分だけを受け直せばいい。
当日中ならば 無料で何度でも。」
と、自分を励まし、検査ラインに入る。
・ホイールアライメント チェック
白線に平行に車をゆっくりと前進させ 通過するだけ
・ブレーキチェック
ローラーにまず前輪をのせ、
"ブレーキを踏んで "の表示に合わせて ブレーキを踏むだけ。
"前進 " → 前進して後輪をローラーにのせ、
"ブレーキを踏んで "の表示に合わせて ブレーキを踏むだけ。
"サイドブレーキ "の表示にあわせサイドブレーキをひく。
全て OKの○印が出るまで。
・スピードチェック
40km/hまで ゆっくり加速し、40km/hで 上から吊るされたスイッチを押すだけ。
OKの○印で終了。以上でライン上の1工程めは終了。
検査用紙を所定の印字機にセット、印字が終わると 次の工程へ進む。

B ライン2
ここでは ヘッドライトの光軸検査、排ガスチェックの番、今度は下車してチェックを受ける。
まずは、ヘッドライトをハイビーム点燈状態にして下車。(エンジンはかけたまま)
光軸検査は自動でやってくれる。
後ろへ回り、排ガスチェック用の検査棒を排気管へ差込みしばらく待つ。
表示燈の排ガス検査OKのランプ点燈の表示を受け終了。
光軸OKの表示もあり これでこの工程の検査は終了。
1工程と同様 チェックシートを 打刻機にかけ、次の工程へと進む。


C ライン3
この工程は 試験官による下回りハンマーチェック工程
なぜか本日は表示燈(パネル)が消灯状態のまま検査を受ける。(本日は検査車が少ないからか?)
表示燈の上にはモニター(テレビ)が置かれていた。
下回りのチェック作業が見えるはずだった。( 昨年はそうだった )
今回はモニターはおろか、表示燈もOFF。いかに 検査車両が少ないか を物語っている。
「 ブレーキを踏んで 」下から声が聞こえた。
ブレーキを強く踏んだ。
いつまで 踏み続ける必要があるのか?(ランプが無いので解らない)
「 下にきて 」又、声がした。ピット内に降りて行くと、
「 この部分のボルトが緩んでいる。」と注意を受けた。
「 すいません 」 「 どうしたら、いいですか?」 と たずねると、
「 打印して、出ていいよ。」と 返事があった。
チェックシートを機械で打印。以上で 3工程(検査最終工程)が終了した。

チェックシート
< チェックシート >

(5)出戻り
とりあえず ラインを出て、ライン横の駐車場へ
「 さて、」と 時計を見た。10時10分ごろ。 1発合格とはならなかった。
結局、仕切り棒取り付け無しにより 不合格。
「 だめな点だけ直せばいいさ。」 と 開き直っていたせいか、全く動揺はない。
記念にと思い、検査証(チェックシート)の写真を撮る。

さて修理(仕切り棒の取り付け)に 一旦、戻るとするか。と 家へもどる。
「 出来れば 午前中に 完了したい。」と思った。
時刻と 行きと進行方向が違ったせいか、家へ着くまで時間は行き程かからなかった。
家へ着いたのは 午前10時50分ごろ
10分で取り付けて、検査場へ行けば、午前中に終了となりそうだ。
コーヒー 一杯の気分転換後、部屋にあった 仕切り棒を取り付ける。
所要時間は 5分とかからない。何せ、ボルト2本で固定するだけなのだから。
取り付けが終わると、再度 車検場へ向かって出発した。


(6)再トライへ
11時30分前に検査場に到着。朝より道路が空いていたせいか、10分ばかり早くついた。
車を検査ライン入口に近い駐車場にとめる。
1レーンには休止の看板が立ててあった。よほど、車検を受ける車の数が少ないと見える。

@ 不合格部分のチェック依頼
検査レーン入口では 検査官による検査が行われていた。3台程止まっていた。
検査が全て終わるのを待って、チェックシートを見せながら 検査官に声をかけた。
「 先ほどの検査で 不合格になった部分の改修を致しました。見て頂きたいのですが。」
駐車してあるデリカへ 案内し、リアドアをスライドさせて開けた。
検査官は2、3度 仕切り棒のガタを手で調べると、
「 結構です。」と、
チェックシートの赤ペンで印した部分に シャチハタの押印をしてくれた。
これで、検査は全て完了。車にもどり、総合窓口付近へ 車を走らせる。

総合窓口
< 総合窓口 >

A 総合窓口へ(検査ライン出口外側)
総合事務所のドアを開けると、そこは10畳ぐらいの広さ。
短辺の左側にカウンターがあった。
向い側広面はガラス戸で ライン3工程とつながっていた。
カウンターの窓口は3箇所、チェックシートを添えた提出書類セットを提出すると、
チェック押印後、書類セットを返却しながら、
「 本館のF番窓口へ 提出してください。」 と 指示された。

B 本館F番窓口へ
再度、デリカに乗り込むと駐車場内を移動、最後の窓口 F番窓口へ向かう。
窓口へ書類セットを提出した。これは、要らないと、
自動車税納税証明書、自賠責保険証書、自動車整備チェックシートを返された。
新しい車検証がプリンタから打ち出されるのが見えた。 完了だ。
この新しい車検証と フロントガラスに貼るシールが 渡された。

完了 !!





(7)あとがき
日本の車検制度について お伺いします。
「 車検は必要だ 」と思いますか? 「 車検の費用は高い 」と お考えになりますか?
このような質問に対し 私の考えは
現状の期間での車検が必要とは思いませんが、 「 車検はやはり必要 」 と考えます。
もともと 車検制度は 自動車の機械的安全性を確認するために作られた制度です。
現在では 不安全車や、迷惑車両をなくす法的足かせになっている点、納税、自賠責保険加入義務の
実行状況確認ができる点、常識的な基準を維持する効果を持っているように思うからです。
次に 「 車検の費用 」ですが、検査費用は高くない と思います。
同時に納入する 重量税、自賠責保険の費用の合計で評価したり、( 税金が高価過ぎるとは思います)
業者等に車検を依頼した場合の工賃と、保守(過剰)整備による費用の積み上げによる加算が、
高価に感じられる原因となっているのでは、、、。誤解されていると 思います。
本当の検査費用は1500円(4ナンバーは1400円)です。
もっとも 車の安全性を確保するための整備費用は 別途必要ですが、これは 自分達の安全のため
車検でなくとも必要な費用ではないでしょうか。
生意気な、優等生的な発言になってしまいましたが、
要するに、普段に問題なく走っていられる車なら、車検に合格するはず、しない方がおかしい。
今回の体験からも それが裏付けられた様に思います。
とは言え、私も今の車検制度に不満はあります。それは、自家用小型貨物車の車検期間が一律1年の事です。
勿論、営業用貨物車、大型貨物車の1年車検は 安全性の点から必要かも知れませんが、
小型貨物車の場合は2年車検でもいいのではないか。
2年分の重量税の一括支払い、乗用車と同額の検査費用(1500円)は認めるとしても、
せめて1年車検か2年車検かの選択性にして頂きたい。
勝手な意見を申しあげて来ましたが、これは、今回の持込み車検の体験に基づいた発言です。
車検を体験すると その制度がリーズナブルであり、一般認識の誤解を強く感じました。
結局、今回の車検に要した費用は 30,350円、そのほとんどが、税金と自賠責。
ウオッシャー液すら自分で補給した事の無い方には天罰とも取れますが、時折でも エンジンルームをのぞいて、
オイル、冷却水レベル、バッテリーの状態確認、ウオッシャー液の補充を行なっている 正しいユーザーには、
高いおまかせ車検価格は、理不尽な価格と言うことに気づいて頂きたいと思います。

はじめに 少しふれましたが、車検と試験は発音が似ているため、
イメージが重なってしまわれているのではないでしょうか。前提が全く異なります。
試験と違い、車検は異常が無ければ合格するのが当然。

一度受けると 予想外に安易に合格出来る事から車検は持込み車検に切替える人が多くいます。
万が一、合格出来なかったとしても、無駄になるのは千数百円の検査手数料だけ、
(自賠責保険料や重量税はそのまま業者の車検で使用可能)
ぜひ一度 持込み車検を行われる事をお勧めします。 おわり
デリカ他 トップへ

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