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セミトラ製作記

*** セミトラ製作記 ***


私の点火系チューニングの第1歩は、セミトラ化でした。( 車:ランサーセレステ1600 )
当時(約20年前)、まだ点火装置の主流はポイント式で、トランジスタ式点火装置は
現在多用されているフルトラ式も1部の車種か、後付けする程度の普及度でした。

車の性能チューンUPには大変興味があったのですが、
学生であった私には大した財力もなく、思案にくれていました。
その時、SSPKなるセミトラの製作記事を回路図集で見つけ、早速製作、装着してみました。
回路はシンプルでトランジスタの特質を遺憾無く発揮された素晴らしい回路でした。

装着後の効果は、加速度UP、燃費の改善( 10.5〜11.0 → 12.5KM/L )が見られました。
部品代としては、手持ちのジャンク品を流用したのでギボシ端子代(180円)程度、
合わせて購入したとしても高々千円程度でコストメリットが十分有りました。

これを機会に私は電子点火装置の魅力に取り付かれてしまう事になりました。

ポイント式の車に乗ってられる方へ手軽で十分なメリットが得られるチューンUP法として
このセミトラ化チューンUPをお勧めしたい。

セミトラ上視 取りあえず、自作時の回路(下図)と 自作品(写真)を示します。
取付け位置は、エンジン熱の影響を受け難い所に
( 私の場合は、フロントデッキ部ワイパーモーター横 )
パンチングメタル板を利用して取付けました。

配線は、装着前に結線されていたポイント−IGコイル配線の
・ポイント側に”ポイント配線”を、
・IGコイル側に”IGコイル配線”を、
・残りの”+12V配線”をIGコイル電源端子のポイント結線端ではない方に
( 多くは外付抵抗が結線されている )に結線し完了となります。

セミトラ下視 順序が前後しますが、装着前の机上にて動作確認を行なう事をお勧めします。
使用するのは、( 右下写真 :CDI実験に使用中のため、外付抵抗は取外し中 )
・IGコイル(外付抵抗付)
・電源( 12V数A供給可能な物、バッテリーで可能 ),
・ラグを用意し板上に取付け結線します。( 点火プラグの代用)
( 尚、プラグ代用のラグ端子ギャップ間距離は12〜15mmに )

ラグ端子の一方は、電源の−端子へ、もう一方のラグ端子はIGコイルのセンタ端子に
5D系の同軸ケーブルを用い結線しました。IGコイル他
電源の+端子から外付抵抗の片側端子へ,
外付抵抗の反対端子はIGコイルの端子に結線します。

セミトラ回路図 電源を入れ 電源の−端子のリード線と
IGコイルのポイント接続端のリード線を接触ショートし、
開放すると、ラグ端子間に電弧火花が見られると思います。
但し、火花を飛ばすのは難しく技を要します。

次に、製作した”セミトラ”を接続(配線)し、実車時と同様 リード線を接触させると、
ラグ端子間に電弧火花が見られると思います。今回は容易に火花を飛ばせた事と思います。
この差が、技術力の差、”セミトラ”の差です!。

← セミトラ回路 (補足)
Di : 1000V1A ダイオード
耐パルス性の物(10D10は不適)

R1,2 : 100〜180Ω3W抵抗
抵抗値はトランジスタ特性に準じる

Tr1,2 :パワートランジスタ
( Vcbo:400v,Pc:100wクラス )

うまく動作しない場合のチェック点として、( セミトラ以外の接続間違いは無い物とすると )
@未接触時トランジスタのベース端の電圧は?
+12V → OK
0V → ベース回路の配線ミス 又は ダイオードの接続方向間違い
A”セミトラ”エミッタ端子配線を電源−端子からのリード線に接続時に、
コレクタ−エミッタ間の電圧を測定、
+コンマ数V未満 → OK
〜10V → ベース電流が少なすぎる。→ ベース抵抗値を下げる
+12V → トランジスタの故障
Bその他、トランジスタが昇天(破損による遮断不良)していないか、導通チェックが必要。

回路がシンプルで素晴らしいので、再現性の高い回路であると思っております。

ポイント式の点火装置の車に乗ってられる方、点火装置チューンUP入門の第一歩として
トライされてはいかがでしょうか?
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